院長日記

第36話 性同一性障害について


現在のところ、「生物学的には完全に正常であり、しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきり認知していながら、その反面で、人格的には自分が別の性に属していると確信している状態」を、性同一性障害としています。
これを精神的な疾患名としているところには理由があるのですが、胎児期に身体の性別と精神(脳)の性別が一致する時期があって、この間に何らかのホルモン異常によって性の一致が損なわれる、とも言われるのですが、精神疾患としていて、まだ解明はされていません。ただ、身体的異常は全くない訳です。
この性同一性障害の方の中には、カラダと心の性を一致させようと形成外科手術を強く望む方は多いようです。
ただ、精神的疾患であるものを、外科的手法で治療する事が、本当によいのかどうかについては大いに議論のあるところですし、戸籍上の問題や法的な問題まで含めると、まだまだ一致した見解はないようです。
ただ、トランスセクシャルとも呼ばれる、手術を強く望む者にとっては、その診断基準がどうとか云うよりも(確かに、現実的にはかなりの時間を要するだろうし、それ以前に、適切な診断なり、その解決策を講じてくれる医療機関はほとんどないでしょうから)、このバストが我慢出来ない、一刻も早くなんとかしたい、というのが実情のようです。
一昨日、性同一性障害と診断を受けている方の、乳腺除去手術を行いました。
性同一性障害と診断されていて、一刻も早く形成外科手術を望む者にとって、自分のバストに我慢ならない、「男性の胸にして欲しい」という要望はそれはそれは切実です。
手術によって何が解決するのか、ってのは確かにそうなんだけれど、それ以上の事を判断すべきは私ではなく、彼ら(彼女ら)な訳で、美容外科医としては、上手に手術をする事につきるのだと思っています。