院長日記

第88話 治療費用が高額すぎる?


昨日の症例からひとつご紹介します。
22歳の女性の方。
約1年前に他院で、鼻へI型のプロテーゼを挿入されていて(60万円程の治療費だったそうです)、今度は鼻先を細くすっきりと見せたいとのご相談でした。
当院を受診される前に、他院を受診されたところ、明らかに曲がって見えるので再手術が必要、費用は手術費が幾ら、麻酔代が幾ら、特別なんちゃらが幾ら等々で、120万円ほどの見積もりだったそうです。
診察させて頂くと、恐らくはI型プロテーゼではなくてL型のものが挿入されているように見えて、鼻先に2カ所、皮膚を強く押し付けている部分が見られ、遅かれ早かれ、その部位に炎症反応が起こるのは目に見えている状態で、プロテーゼ自体の形状にも問題があるようでしたし、挿入位置にも問題があるようでした。
ご本人のご希望されている鼻先云々どころの状態ではない事をご理解頂いて(ご本人もそこそこは判っていた様子でしたが)、昨日、再手術を受けて頂きました。
案の定でしたが、取り出したプロテーゼはL型のもので、鼻根部までは十分挿入されておらず、鼻先で2カ所、プロテーゼのトップの部分と、L型の先の部分がねじれて皮膚を強く圧迫していて、プロテーゼ自体は上下からの圧迫で右方向へずれてきている状態でした。
まあお話にならない手術のようで、使用しているインプラント(プロテーゼ)の形状といい、その挿入位置といい、当然この結果になるであろう手術を受けられたのは明白でした。
このような症例は稀なものではなくて、実は毎週何例も経験しています。
それと、その多くが相当高額な治療費を請求されています。
他の施設が高くて、当院は安い、と言う事を言いたい訳では決してなく、ただ、その結果があまりに酷いのを頻繁に目の当たりにするので、やはり治療費用も含めて、よくよく考えた行動をして欲しいと思います(今だに同じような事ばかり言っていますが)。
どこの施設がどのような事をしているのか、どの程度の腕があるのか等々、大概は判っていますが、そんな事は到底お伝え出来るものではありませんので、しつこく言いますが、ほんとの慎重になって下さいね。