院長日記

第89話 術後経過は診ない?


本日来院された方で、同じような症例が3例ありました。
いずれもが他院で二重瞼切開手術を受けられていて、治療経過に問題がある(困っている)ので診てもらいたいのだが、なかなか診てもらえない、との事でした。
かなり古い話になりますが、当時、相当な広告費を拠出して患者を集めていた京都の某美容外科医院、“手術はやりっぱなしで、後は知らない”の方針(?)を貫いていて(業界では有名でしたが)、術後の来院は一切診ず、表向きには再診料5万円と謳っていました。
当然とっくにこの美容外科医院は淘汰されましたが。
話を戻します。
上記の症例のうち、2例はあまりに酷い対応のようで、その説明が長くなるのと、まだ再手術の方針が完全に決まっていないので、残る1例について。
27歳女性の方。
2年前に、岐阜県内の某形成外科医院で二重瞼切開法を受けられたところ、左右差が著しいのと、二重瞼のラインの食い込み方があまりに不自然なのと、手術後逆にまぶたが重くなって困っている、との事。
一度診せに行ったのだけれど、全く問題がないじゃないかと冷たく返され、その後は一切診てもらえない、との事でした。
あまりに些細な事に拘るような、また所謂クレーマーな方では全くなく、私が少し広い二重瞼を希望したからだろうかと悩むような至極素直そうな方でした。
この方が受けられた手術については、基本的には、ご自身の上眼瞼挙筋(目を開け閉めするための筋肉)にとってかなり無理のある二重瞼にしているのが主な原因で、傷跡を取り除きながら、作った二重瞼を元に戻した上で、左右差を修正すれば何とかなる症例でした。
そう言えば、2ヶ月前にこの某形成外科医院で二重瞼埋没法を受けられて、目の上の浮腫が強く、目が開きづらい、との事で、昨日来院されました方もおられました。
やっと最近人前に出れるようにはなってきた、との事。
やはり無理な幅の二重瞼を作製しているのが主な原因でした。
ご本人は、元に戻したいのだけれど、2ヶ月は出来ない、と言われたので2ヶ月我慢していて、再度予約を入れようと電話すると、更に2ヶ月は出来ない、検診すら受けてもらえない、と言われたそうです。
そりゃあ中には、ご本人にも相当責任がある(問題がある)よなあ、と思う方もおられるのですが、でもなあ。術後経過をちゃんと診ない、って一体どういう事なんでしょうね(理解出来ない)。