院長日記

第42話 二重瞼、埋没法と切開法のこと


二重瞼については、その方の目を開け閉めする筋肉(上眼瞼挙筋と呼びます)に拠るところが非常に大きい事は、何度も繰り返し書いているつもりですが、今だ、埋没法は元に戻る、切開法は永久に元に戻らない、と認識している方、あるいはドクターを見かけます。
何でもかんでも埋没法、あるいは、二重瞼は切開法じゃなきゃならん、ってドクター、相変わらず存在するようです。
埋没法で手術を受けたが、すぐに元に戻ったので、それならば次は切開法で、と勧められた、と言われる方は、今だに日常茶飯事です。
そんなの、最初に言ってよ、となるはずです。また、切開法で、傷跡が目立った、凹んだ、では何をしているのかわかりませんよね。
受診者の方にとって、埋没法で希望の二重瞼になるのであれば、さらにその状態がいつまでも変わらない(加齢によるタルミの出現等は致し方ありませんが)のであれば、恐らくこれが一番よいはず(ダウンタイムは少ないし、切るという恐怖感はないし、費用も安くつく訳ですから)だと思います。それ故、美容外科医たるもの、埋没法は基本中の基本となります。
ただ、埋没法ではどうも無理のある方もいるので、そのあたりの見極めはなにより大事ですし、ご本人の希望される二重瞼が本当によいのかどうか、って事も、腕のよい美容外科医であれば、納得されるような説明をしてくれると思います。
受診者の方の望むままに、埋没法を行う、切開法を行うような医師や施設では、取りあえず手術は受けられないほうが賢明だと言えそうです。
そのためにも、埋没法の適応を十分認識しているドクターに診察を受けられる事が、なによりも肝要なんですが、これが実は一番難しい事ですね。
今回、何故今更、二重瞼の事を書いたかと言いますと、アンチエイジングと称した医療施設がどんどん増えている中で、ヒアルロン酸注入やボトックス注射などの簡単に行える(実はそんなに簡単ではないいんですが)治療に加えて、取りあえず埋没法もやっているようなところで、手術を受けられてうまくいっていない、といった方を多く診るようになってきたので、が理由です。