院長日記

第2話 あちらこちらで医師法違反?


雑誌媒体を見てみると、相変わらず派手な美容外科の広告が目につきますが、更にそれ以上に目を引く派手さのエステサロン。
な、な、なんとシミが一瞬で消せるらしい、ホクロもとれるらしい、レーザー機器で肌がきれいになったり、脱毛がおこなえるらしい。酷いところでは、あざが消えたり、アトピー性皮膚炎が直るなど。
実はこのような行為自体、下記のごとく違法行為にあたります。エステサロンは本来、リラクゼーションを目的とした美容行為と思うのですが、また、全うなサロンも多く存在するのでしょうが、私の経験上でも、やはり明らかな違法行為(本当にしみが簡単に消えたり、アトピー性皮膚炎が直るのであればまだしも、ほとんどすべてが何の根拠もなく行われているようで)が跡を絶たないのが実情です。エステ被害が続出している上に、当局、各団体の再三の警告に無視を続けるこの業界に対して、告訴も辞さないと言った現状になってきています。
法治国家として違法行為は許されないのですが、ただ、罰則があまりに甘くて、現実的にその法律が遵守されているとは言いがたいものが、この国には山と存在します。法律自体が既得権益者に有利にできているとしか言い様がなく(公務員法が典型ですが)、そう考えると、エステ被害が簡単になくなるとはとうてい思えないのですが。

医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて

(平成13年11月8日)(医政医発第105号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
最近、医師免許を有しない者が行った脱毛行為等が原因となって身体に被害を受けたという事例が報告されており、保健衛生上看過し得ない状況となっている。
これらの行為については、「医師法上の疑義について」(平成12年7月13日付け医事第68号厚生省健康政策局医事課長通知)において、医師法の適用に関する見解を示しているところであるが、国民への危害発生を未然に防止するべく、下記の通り、再度徹底することとしたので、御了知の上、管内の市町村並びに関係機関及び関係団体等にその周知を図られるようお願いする。

第1 脱毛行為等に対する医師法の適用

以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が行えば医師法第17条に違反すること。
(1)用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為
(2)針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為
(3)酸等の化学薬品を皮膚に塗布して、しわ、しみ等に対して表皮剥離を行う行為

第2 違反行為に対する指導等

違反行為に関する情報に接した際は、実態を調査した上、行為の速やかな停止を勧告するなど必要な指導を行うほか、指導を行っても改善がみられないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図られたいこと。