院長日記

第9話 普段からの肌のお手入れで、差がつくの?


シミやシワを含めた肌の相談に来院される方は多く、皆さん決まって、‘肌の手入れをしてこなかったので’、と言われます。肌の手入れとは何かと聞くと、美容液などの基礎化粧品の使用(特に高額な)や、エステサロン通いや、俗に言うマッサージなどの美顔目的の事だと言います。
それでは、皆さんの言われるこの手の肌の手入れは本当に有効なのでしょうか。これについては断言しますが、何の役にも立たなかった、あるいは、その手の肌の手入れを行わなかったほうが逆によかったとさえ言えます。
このような事を言うと多くの方から反論を受けそうですが、肌質は持って生まれたもので、そう簡単にはどうにも変えられないと言うのが私の持論です(夢も希望もありませんが)。現に、日常の診療において、上記のような肌の手入れと称するものに無縁であった方のほうが、断然肌がきれいなので。
何もケアーをしていないのに、二の腕の内側部の肌が一番きれいなのはどうしてでしょうか。顔は一番刺激を受ける場所ですし、化粧も当然刺激になる訳ですが、化粧自体は直ぐにきれいに見せれると言う点で非常に優れたものなので、これを否定はしませんが、ただ、厚化粧は避ける、できるだけ素顔の時間を多く取る、化粧を落とす際はできるだけ肌への刺激を避ける(強く擦らないなど)、などの当たり前の事と、もっと根本的な、よく寝る、偏りのない食事を心掛ける等の事以上に有効な肌の手入れなどと言うものはないと思われた方がよいでしょうね。
高価な化粧品を使用すると肌がよくなるなどと言う事はなく、テレビで見る女優さんは、肌の手入れが上手だからいつまでもきれいのではなく(実際の肌は、本当はかなりひどい状態であったりするのですが)、お金持ちだと肌がきれいになるわけでもなく、もうそのような幻想(この幻想があるので、女性は実は楽しかったり?)を抱かないで欲しいといつも願っているのですが。