院長日記

第11話 プチ整形って何のこと?


マスコミによると、昨今プチ整形なるものがブームのようで(実はブームでも何でもないのですが)、誰のネーミングかは別にして上手く名付けたものと感心します。このような風潮にあって、脱毛や美顔をメインに、簡単な(決して簡単ではないのですが)美容外科手術(主に二重瞼の手術や、注入物によるシワの治療)のみをおこなうような施設が次から次へと増えている事も、これに拍車をかけているようです。
それではプチ整形とは一体何の事かと言うと、シワの治療薬であるヒアルロン酸の注入によって鼻を高くしたり、切らずに二重瞼を作ったり、ボツリヌス毒素によってシワの改善をはかると言った類いの、まあ大した技術を必要としないように見える、また、リスクの少なさそうに見える一部の治療を指しているようです。
シワの治療目的や、鼻や顎などへの注入目的としてのコラーゲンやヒアルロン酸の使用ぐらいであれば、まあ問題はないのでしょうが、いろんな注入剤が実は多く出回っていて、非常にリスクを伴う(特に長期経過において)ものも少なくないようです。
二重瞼の手術においては、今でもこのような手術が行われているの?と思えるような事が、実は新規に美容外科に参入(中途半端に)してきた施設に多いように思います。
医者もどんどん食えなくなってきているようで(保険の水増し請求で何とかやっていけてるのが実情でしょうから)、とりわけ新しく認可された科目の医者等は悲惨な状態でしょうから、外からは良く見えるのか、美容外科への参入はしばらく増え続けるでしょうね。それによって、需給バランスはくずれてきますから、経営上の問題からの無理な治療によるリスクも、まだまだ増えて行くように思います。