院長日記

第22話 外科医の役割ももう終わり?


一般外科医の仕事が、昔は、胃を取り除いたり(胃潰瘍の診断で、切れば良くなると言って)、肺葉切除といって、肺の一部を取り除いたり(肺結核等の診断で)、近頃では、早期に発見して切れば治ると言って癌を取り除いたり、てんかん発作の治療と称して脳の一部を取り除いたり、だったものが(冠動脈バイパス手術等、数え上げればきりがありませんが)、すっかりこの手の治療法は劣勢になる歴史をみても、実は救急医療等を除いてほぼその役目がなくなってきたように思えてなりません。
美容外科医の仕事も、切って剥がして引っ張って、と言うような手術だけではなく、現在では多種多様にわたるようになり(レーザー治療や内科的なものまで)、また、その技能や機材も日進月歩で(それだけまだまだ底が浅いとも言えますし、需要側の要求も大きいので)、新しいものには常に目を光らせておく必要があります。
この新しいもの、のほとんどが、新しい術式などではなく(学会等で出てくる術式等は、実は以前からもう普通にやっているようなものが多く)、手術にとって変わるであろうアイデアの医療機器や医療材料であったりします。
できる限り傷を残さないような(侵襲の少ない)治療が理想なので、純粋な外科医としての仕事は、少しずつ無くなっていくのでは、と本気で思ったりしています。そのため、従来の外科的治療には、年々丁寧に丁寧にとの思いが強くなります。
実は、美容外科医といった呼称自体はもうかなり旧いのかも知れませんね。