CARBOMEDと言う器械が登場しています。原理は簡単で、脂肪層へ炭酸ガスを自動的に一定量注入する器械なのですが、この炭酸ガスの所謂Bohr効果によって、新陳代謝を促そう、脂肪分解を促そう、というものです。
ちょうど5年ほど前になるのですが、炭酸ガスを利用した床擦れの治療剤を開発されている方から、たまたま私の友人を介して連絡があったのですが、この治療剤の治検段階で、副次的にですが、どうも部分痩せの効果があるようなので、共同で研究できないものか、との事でした。お互い守秘義務契約を交わした上で、研究を進めていたのですが、確かに部分痩せの効果は確認していたのですが、その後幾つかの理由から、私自身手を引いていました。
酸素(主にフリーラジカルについて)については世界中で研究が盛んですが、炭酸ガスについては、抹消血の酸素農度を上昇させる類いのもののみで、他に見るべきものはなかったように思います。商品としては、これを利用した入浴剤(花王のバブ)が存在するのみでした。
フランスでは、炭酸ガス療法と称して、かなり古くより血管性病変の治療が行われていたようで、その後、限局的脂肪過多症の治療への応用につながったようです。
ここ数年、美容分野での新しい医療機器には、実際使い物になるものは少なく、所謂眉唾ものも多いので、この手の器械にはかなり慎重にならざるを得ないですし、また、誰にでも簡単に、といった治療機器には私自身ほとんど興味はないのですが、上記のような経緯もあって、現在その利用価値について試行錯誤しています。実際当院で治療メニューに加えれるようであれば、診療情報のほうで、随時お伝えしていきたいと思います。