院長日記

第43話 豊胸用シリコンバッグに関するNEWS


今月17日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、1992年以降その使用を制限していたシリコンバッグ(豊胸材)の販売を認可しました。約4年間に渡る研究によって、その使用の安全性が確認できたとの事です。
乳癌手術後などの乳房再建手術の場合、あるいは、美容目的では22歳以上の女性が対象とされています。
今回認可されたのは、カリフォルニア州のメーカー2社(MENTOR、 INAMED)が製造する製品です。
豊胸用のバッグとして、シリコンバッグや生理食塩水バッグなどが世界的に使用されていますが、以前、アメリカでシリコンパニック(癌や自己免疫疾患を引き起こすのではないかとの指摘によって、製造が一時中止されて)と呼ばれる事態(バストアップの項参照)があって、その後、癌などとの因果関係は否定されていましたが、FDAからの求め(4万人の10年間に渡る追跡調査)で、やっと今回の認可に至ったようです。
シリコンパニック後、一時的には生理食塩水バッグが使用されましたが、その後、このFDAの認可には関わりなく、幾種類かの豊胸用バッグが使用されてきたのが実情です。
今回のFDA認可の件も含めて、私見ではありますが、豊胸用バッグとしては、やはりシリコンバッグに優る材料は今だ出現していないように思います。