院長日記

第10話 インフォームドコンセントについて


インフォームドコンセントと言う言葉をいろんなところで目にするようになりましたが、なんの事はなく、医者の説明義務の事であり、こんなの当たり前の事なんですが。ただ、医者にもひどいのがいたり、あまりの忙しさに患者を大事に扱っていないといった類いは、まあどの世界にもある事ですが。
患者側、つまり消費者(皆さんは医療と言うサービスを買われる訳ですから)にとってみれば、こ難しい説明を長々と受けるより、’とりあえずちゃんとやってよ、あんた医者なんだから’、と言うのが本音でしょうし、そうあるのが良いに決まっているのですが、どうもそうは言っておれない、医者は信用できない、そんな風潮をひしひしと感じます。このあたりの話しをしていくと、医者の教育制度や大学医学部の制度の問題まで論じないとどうしようもなくなるので、美容外科受診において、できるだけ身近なところで、書いてみようと思います。
日々の診療で以外と多いのが、他院での治療、手術に対するクレーム(ちょっと話しを聞いていただけますか、ひどいと思いませんか、と言った類いの)や何とか修整できないでしょうか、と言った相談です。私の力で何とかなるものであれば(その治療は何処そこのあのドクターに見てもらえば間違いないだろうから、と言った紹介も含めて)何でもやろう、優先してやろう、と心に決めて診療にあたっている(この程度の事しか実は仕事へのモチベーションが保てないので)からか、実はあまりにお粗末な医療が多く行われているためなのかはよくは判りませんが。
医者の判断の間違い、技能的な未熟さ、もあるのですが、まあ、ほとんどが、いわゆるインフォームドコンセントとやらに原因があります。ちゃんと説明を受けた、受けていない、の類いがほとんどです。美容医療と言うサービスを提供している側に明白な責任がある場合が多いのは事実ですが、ただ、インフォームドコンセント(医者の説明)をちゃんと理解しようとしない(説明をまともに聞こうとしない方もまだまだおられるので)事も、この手のクレームにつなっがているように思います。
医者をそう簡単には信用できない、となると、やはりその方にとってよい医者を探す努力、説明を理解するための努力も必要でしょうね。