脇の汗でお悩みの40代の方が来院されました。
若い頃から汗の量が多く、酷い時はジャケットの脇の部分も汗で変色してしまうそうです。スメルハラスメントの当事者になるのではないかと、臭いをとても気にしておられました。手術ではなく注射で治療が出来ると聞いて、カウンセリングに来られたそうです。
患者さんが聞かれた注射による多汗症の治療とは、ボトックス注射の事です。脇の汗にはエクリン汗腺から出る普通の汗と、アポクリン汗腺から出る臭いの元になる汗の2種類があります。
エクリン腺は全身に分布していて、分泌される汗は無臭です。この汗が多い症状を多汗症と言います。
対してアポクリン汗腺は脇や陰部に多く分布していて、ここからも無臭の汗が分泌されます。ただ、アポクリン汗腺からの汗は分泌後に脂肪分等と混ざる為、皮膚常在菌の働きによってワキガ(腋臭症)等の特有の臭いが発生する原因となります。
ボトックス注射はエクリン汗腺に作用して、汗の分泌を一時的(半年から1年)に抑制します。多汗症でお悩みの場合、ボトックス注射が非常に効果的です。ちなみにエクリン汗腺からの汗は無臭と言いましたが、多量の汗も皮膚常在菌によって多少の臭いを発します。俗にいう汗臭いという状態です。こうした臭いは、ボトックス注射によって汗の量を減らすことで改善が見込めます。
なお、多汗症による汗の臭いとワキガは別のものですが、混合型の場合もございます。気になる方は是非無料カウンセリングにいらして下さい。
追記
ご相談に来られた患者さんは、汗の臭いでしたのでボトックス注射を打って帰られました。