今回、他院でワキガの治療を受けられた患者さんが来られました。
お話を聞くと、4年程前に知人の紹介で某クリニックでワキガの根治手術を受けておられました。ただ、症状が全く良くならなかったため、「根治手術でも治らないのか」と半ば諦めていたそうです。
とはいえ、就職が決まり社会人として新たな生活をスタートするにあたって、「ダメもとで!」と相談に来られました。
カウンセリングでお話を伺い、診察で脇の臭いや毛穴の状態、以前に他院で受けたという根治手術跡の確認を行いました。現在の状態や体質の話を行い、どういった施術方法が適しているか等の説明をさせて頂きました。
因みに今回の患者さんには、『直視下反転剪除法』という根治手術を提案させていただきました。『直視下反転剪除法』とは、脇のシワに沿って3~4センチ切開をし、そこから皮膚を反転して臭いの元凶であるアポクリン腺と呼ばれる汗腺を切除するという手術です。超音波等を使った施術等が色々ありますが、アポクリン腺を視認して切除するこの方法が、再発もない一番確実な方法だからです。
ただ、患者さんのお顔はどこか浮かないご様子。
理由は簡単な事でした。
以前に他院で受けたというワキガの根治手術が、この手術だったからです。正直、臭いの元凶を取り除くこの根治手術を受けて、良くならないという事は考えられません。考えられることは、アポクリン腺の取り残しです。院長からも「以前に受けられた手術の傷跡が極端に小さかったこと等から、アポクリン腺の取り残しが原因だろう」という事で説明がありました。
患者さんも説明に納得いただけたご様子で、手術の予約をしてお帰りになられました。
ちなみに、本日その手術が行われたのですが。。。
臭いが改善されない理由は、やはりアポクリン腺の取り残しでした。それも取り残しとは言えないレベルの量です。これだけアポクリン腺が残っていれば、全く良くならなかったのは当然です。勿論、手術は問題なく終わり、視認できるアポクリン腺は取り除けました。長年悩み続けてこられた臭いも、これでやっと解消されるはずです。
それにしても、以前に受けられたワキガの根治手術とはいったい何だったのでしょうね?