院長日記

第46話 フェザーリフトと顧客満足度について(後半)


前回お話した51歳の女性の方ですが、数年前に他院でフェザーリフトを受けられたとの事。頬のタルミが気になって仕方なく、でも切ったりする手術を受けるのはどうしても抵抗があって、当時目にした広告を見て、「これだ!。」と思い、すぐにその治療を受けたようです。
医療で使用する糸(主に縫合糸として)を加工したもの(簡単に言うと毛羽立たせたもの)が当時出現して、その糸を皮下に埋め込む事で、タルミが解消する、その糸の周囲にコラーゲンが増える、との触れ込みでした。アプトス糸、ワプトス糸に始まり、今ではハッピーリフトだ、スプリングリフトだ、ゴールデンリフトだ、数えればこの手の治療は山と存在しています。
できるだけ間便に、それでいて結果の出る治療法がよいに決まっているのですが、どうもこれらの治療を受けられた方の満足度があまりにも低いように思えて仕方ありません。
上記の女性の方も全くその通りで、何の変化もなかったばかりか、埋め込んだ部分の痛みが続いていたようで、一部糸が透けて見えていました。
ちょうど頬のタルミの治療を終えていたので、麻酔がまだ効いているので、すぐにその糸を摘出しました。
フェザーリフトの糸がみえる?
新しい色んな治療法が次から次へと出てきますが、良いと思える治療法って案外少ないものです。
ただ、上記のような特殊な糸に問題があるのでは全くなくて、それらの治療法を取捨選択する医者側のセンスの問題であろうし、何より大事な事は、その治療法で患者さんに喜んでいただけるのかどうか、を見極める事が医者の腕の見せ所なんだと思います。